ねっとり干し芋を作るための、美味しいさつまいもの選び方
ねっとり干し芋に向く品種の選び方
さつまいもにも色々な品種がありますが、どんなさつまいもが干し芋にすると美味しいのでしょうか?
さつまいもには大きく分けてしっとり、ねっとり系のものと、ほくほく系のものに分かれると思います。
ねっとり干し芋作りに向く、しっとり、ねっとり系のさつまいも
しっとり、ねっとり系のさつまいもは品種で言うと シルクスイート 紅はるか 安納芋 などが有名ですね。
比較的水分が多く粘り気のある食感と、蜜が出るほどの甘さが特徴です。
干し芋の他に、スイートポテトや焼き芋にも向くと言われるさつまいもです。
ねっとり干し芋には向かない、ほくほく系のさつまいも
ほくほく系のさつまいもは品種で言うと紅あずまや鳴門金時です。
しっかりとした食感と程よい甘さの「昔ながらのさつまいも」といった味わいです。
ほくほく系は、天ぷらや芋かりんとうや大学芋などに向いていると言われています。
美味しいさつまいもの見た目での見分け方は?
美味しいさつまいもを見た目で見分けるにもコツがあります。
どの品種でも一緒なのですが
まずはふっくらとした形で、あまりデコボコしていない事。
皮の様子を確認し、艶があり黒い斑点などのないものを選びましょう。
次に周りについている根っこを見ます。
ひげ根と呼ばれる根っこがさつまいもから出ていますが、このひげ根が硬くてしっかりしたものは、実の部分も筋張っていることが多くなります。
ひげ根がヒョロい感じのものを選びましょう。
より甘いさつまいもがいいなら、黒い汁の垂れたものを選びましょう
さつまいもの切り口から流れる黒い汁。なんだと思いますか?これは「ヤラピン」と呼ばれる切り口から出てくるデンプン質の白い液体なんです。それが固まって黒くなっています。この黒い液体が美味しいさつまいもの目印です。
美味しいねっとり干し芋の作り方
今回は近くのスーパーで手に入った「紅まさり」のさつまいもを使って作ります。
紅まさりってさつまいもはどんな品種?
紅まさりも「しっとり、ねっとり系」のさつまいもで、シルクスイートの親品種になります。
茨城県の行方市で多く栽培されており、ブドウ糖が多く他のさつまいもにはない甘さを持っています。
比較的買いやすい値段なので、子どものねっとり干し芋を大量に作る時に私はよく買います。
さつまいもを買うのに、美味しい甘い時期や旬はあるの?
一般的には、さつまいもの収穫は9月〜11月が多く10月がピークになります。
この時期に販売されているさつまいもは、収穫してすぐのものが多く、熟成期間が短いため同品種で比べると甘味は少ない傾向にあり、食感もほくほくに近くなります。
それに比べて12月頃に販売されているさつまいもは、熟成期間も長くなり甘味も強くなり、ねっとりとした食感になっていきます。
今回の干し芋作りは時差投稿で、実は2月頃に作った時の内容です。
さつまいもは保存もいいため、1ヶ月〜長いと3ヶ月程熟成されるため、時期が後になるほど甘味は強い傾向があります。遅い時期のさつまいもほど、ねっとり甘い干し芋になりやすいので、天日で干して干し芋を作っても傷みにくい、作りやすい気温とさつまいもの熟成期間のバランス、いつまで手に入るのかタイミングをみて作ってくださいね。
家庭でさつまいもの熟成、保存をするならどうすればいい?
さつまいもの泥を落とさずに、新聞紙などに包んで10度〜18度の暗冷所で保存してください。
1週間〜1ヶ月寝かせることで甘味もUPします。
美味しいねっとり干し芋を作っていきます!
今回は箱で売っていた紅まさり、2箱分を使って作ります。
さつまいもを甘くなるように火を通す方法
干し芋を作る工程で、最初にするのは洗ったさつまいもに火を通すことです。
その方法は色々とありますが、どうすれば甘くなるのでしょう?
さつまいもの甘味は麦芽糖です。65度〜75度位の温度でじっくりゆっくり加熱してやるとさつまいもの中で麦芽糖が作られ甘くなります。
そのためには出来るだけゆっくりと火を通す必要がありますが、手間の事やどこまで手をかけれるかはお家によっても違うと思いますので、やりやすい方法でやってください。
蒸し器を使ってさつまいもを弱火でじっくり蒸す
弱火でさつまいもに竹串が通るまで蒸してあげてください。
電子レンジで火を通すときはできるだけ弱い出力で
電子レンジで柔らかくする場合は、甘くなるように出来るだけ出力を弱くしてください。
少量の場合は、キッチンペーパーで巻いてから軽く水で濡らしてラップで包んで、蒸し焼きにします。
量が多い場合は耐熱皿の中に濡らしたキッチンペーパーを敷いてからさつまいもを並べてラップをします。
出力は弱い設定で、長い時間かけて火を入れた方が甘いお芋に仕上がります。
火が通ったら熱いうちに皮をむきましょう
蒸し器かレンジでさつまいもを柔らかくしたら、次は熱いうちに皮をむいていきます。
皮がむけたら、5〜7ミリ程度の厚さに切っていきます
切る厚さはお好みの厚さで切っていただいて構いません。
乾かすと少し薄くなってしまうのでその分厚い目に。ですが厚いほど乾燥には時間はかかります。
蒸し器で火を入れたものと、電子レンジで火を入れたものの違い
蒸し器と電子レンジ、それぞれ火を入れた後の仕上がりを比べると、蒸し器で火を入れた方が水分量が多くなり柔らかくなります。電子レンジの方が濡れたキッチンペーパーを入れていて加熱していても、比べると少し乾燥した感じになっています。
次はさつまいもをネットに入れて干していきます
次はカットしたさつまいもをネットに入れて干していきます。
私は百均のセリアで買ったネットを使用しています。上のところにフックはついていないので、別途用意が必要でしたが、1つ百円で購入できました。
ネットに入れて風通しのいいところで干していきます。
1週間ほど干せば、ねっとり干し芋の完成です
お天気やさつまいもの分厚さによっても違いますが、だいたい1週間程度干すと写真のような感じになり干し芋の完成です。
乾燥具合を少なめにすると、よりねっとりとした水分の多い干し芋になるので、つまみ食いをしながら干し具合を調整してみてください。
そのまま食べてもいいですし、少し炙ってから食べるとより美味しく食べることができます。
今回使ったさつまいもの量で、約440グラムのねっとり干し芋が出来ました。
乾燥具合によっても重さは変わってしまうので目安にしかなりませんが、市販の小袋で売られている干し芋の量を考えていただけると、量のイメージが出来るかなと思います。
干し芋の表面についた白い粉はカビ?食べれるの?
干し芋をしっかり干して乾燥させると、白い粉を振るったようになることがあります。
この白い粉は「マルトース」と呼ばれる麦芽糖が結晶化したもので、もちろん食べることができます。
粉ではなく白い綿状のものが付着している場合は白カビの可能性があり、他にも青色などの白色以外のカビも生えることがあります。
我が家の保存方法
我が家では作った干し芋を真空パックに少量づつ入れて、子どもとお出かけする時に持ち歩けるようにしています。一緒にエバーフレッシュなどの脱酸素剤を入れることで、カビも生えにくくなり長持ちしますよ。
ねっとり干し芋を作った時に真空パックで個包装をしていると、4歳の子どもが「おいもやさんのシール描いたよー」と持ってきました。せっかくなので、そのままスキャンしてシール台紙に印刷して、干し芋にパッケージシール?として貼ることにしました。
本人もシールになったのが嬉しかったようで、幼稚園のお友達に「おいもやさんどーぞ」と言ってほとんどあげてしまいました。
その時に作った分は、あげてしまいあまり食べることは出来ませんでしたが、シールを作った事もあり、その時の干し芋の事を覚えていてくれているので、よかったと思うことにしています。
ねっとり干し芋、作り方のまとめ
美味しいねっとり干し芋作りはまずさつまいも選びから
ねっとり、しっとり系の品種のふっくらとして蜜の垂れているものを選びましょう。
火を通すのはゆっくり時間をかけて
火をゆっくり通すと甘いお芋に仕上がります。
ネットで干して1週間
干し芋が出来上がるまで、待ってください。
干し芋はご家庭でも少しの手間で簡単に手作りする事ができます。
これからさつまいもが美味しくなる時期ですので、ぜひ試してみてくださいね。
コメント