真っ赤になった鉄を叩いてねじって、6歳、小学1年生でも作ることが出来たペーパーナイフ作り体験

刀鍛冶体験のイメージ写真おでかけ

毎年恒例の息子と2人旅行、今回は鳥取県に行ってきました。

初日は鳥取砂丘でパラグライダーをしたり、馬の背の32°の絶壁をそりで滑り降りたりして遊び、 2日目は朝から滑落事故も多い三徳山三佛寺へ、崖のような道を鎖を掴んで登り参拝と拝観した後は、三朝温泉の河原風呂に行ってきました。

その後は焼けた五寸釘を使ってのナイフ作り体験をしてきました。

鳥取砂丘でのパラグライダー体験の記事です

八島農具興業株式会社さんでナイフ作り体験

八島農具興業株式会社とは

八島農具興業さんは鳥取県倉吉市で明治30年から稲扱千歯(いなこきせんば)を造られている創業125年の会社さんで、現在は鍬や鎌など農具を製造販売されています。稲扱千歯とは大正時代までお米の脱穀(お米の粒を稲穂から取る事)に使用されていた道具で、最盛期には倉吉市の製品が全国シェアの8割を占めていたそうです。

八島農具興業株式会社さんの社屋写真
八島農具興業株式会社さんの社屋

◆稲扱千歯(稲扱千刃)(いなこきせんば)

江戸後期〜大正時代まで米の脱穀には「千歯扱き」が主に使用された。当時の倉吉は、県内の良質なたたら製鉄を背景に千歯の一大産地として栄えた。その優秀さと生産性、加えて職人が全国を回り修繕・販売する独自の方法(今で言うアフターサービス)により、倉吉産の千歯は、北は北海道から南は九州まで全国シェアの8割を占めたともいわれている。

2015年、倉吉歴史民俗資料館が所蔵する「倉吉の千歯扱き及び関連資料」は、国の登録有形民俗文化財に登録。

一般社団法人 倉吉観光MICE協会ホームページより引用

稲扱千歯(稲扱千刃) - 倉吉観光情報
八島農具興業株式会社社内写真
八島農具興業さん社内写真1、社内には鍬や鎌がずらりと展示されています
八島農具興業株式会社社内写真2
八島農具興業さんの社内写真2

社内に入らせていただくと、壁に鍬や鎌などがずらっと飾られていました。アットホームな感じの暖かい雰囲気の会社で、お話しさせていただくと「私らは鍛冶屋ですから」とにこやかにおっしゃっていました。

ナイフ作り体験で作るのは?

今回造らせていただくのは、五寸釘を使って作るペーパーナイフです。

赤くなるまで熱した五寸釘を金床に乗せて、手鎚(カナヅチ)で叩いて形を作ります。

赤くなるまで熱してるため危険が全くないわけではありませんが、職人さんがしっかりと固定してくれている釘を手鎚で叩くので安心感があります。

小学1年生の子供に真っ赤な鉄を叩いて造らせてくれるところは、あまりないかとは思いますが、私は実際に赤くなった釘を見ながら自分で叩く事で、作る時に赤くなっている鉄の色、近くに手を持っていった時に感じる熱気、作業所に入った時の機械の匂いなど、いろいろなものを感じてくれていて、少しくらいは何か記憶に残ってくれるのではないかと勝手に期待をしています。

ナイフの作り方の説明書1
ナイフの作り方説明書1
ナイフの作り方説明書2
ナイフの作り方説明書2

ナイフ作りの工程

  1. 釘の頭(釘を打つときに叩くところ)を叩いて潰す
  2. ナイフの手にもつ部分をねじる
  3. ナイフの刃になる部分を叩いて薄く伸ばす
  4. ナイフの刃になる部分をベルトサンダーで荒削りをする
  5. ナイフの刃を磨く

この1〜5の工程でナイフは出来上がります。

早速、ペーパーナイフ作りスタートです

作り方の説明を受けた後は、早速作業場に向かいます。

普段、鍬や鎌などを造られている作業場には、私たちが目にすることは少ない大きな機械がたくさん並んでいます。

そんな作業場の中に、釘を赤く熱するための窯と叩いて加工するための大きな金床(叩く時の台です)、子供が座りながら作業ができるようにと椅子が用意されていました。

職人さんが窯で釘を熱しているところの写真
職人さんが窯で釘を熱しているところ

まずは釘の頭を潰します

金床の前に手槌を持って座ると、職人さんが釘を赤くなるまで熱してくれます。

釘が作業出来る温度(800℃ほど)になったら、ヤットコ(ペンチ)でしっかりと挟んで金床に持ってきてくれるので、手鎚で力いっぱい叩いていきます。力一杯叩いていると釘の頭の部分がだんだんと平らになっていきます。熱していない釘と違って、赤くなるまで熱した釘は叩くたびに形を変えていきます。

叩いている時に釘の色が暗くなり温度が下がってってくると、再び窯に入れて赤くなるまで熱してもらって、さらに叩いて潰していきます。

職人さんが抑える釘の頭を金槌で叩いて潰すところの写真
職人さんが抑える釘の頭を金槌で叩いて潰すところ

持ち手になるところを、ねじります

次に、持ち手になるところをねじっていきます。

固かった釘を赤くなるまで熱する事で、潰した頭の部分をペンチで挟んで6歳の子供が頑張ってねじる力でもぐるぐるとねじられていきます。

作っている時に力を入れ過ぎて釘が曲がってしまっても、職人さんが優しくサポートして修正してくれました。

赤く熱した釘をねじって曲げるところの写真
赤く熱した釘を力一杯ねじって曲げるところ

刃になる部分を平たく伸ばしてきます

いよいよ刃になる部分を叩いて薄く伸ばしていきます。

薄くするために、今までよりも力いっぱい叩いていきます。

刃になる部分を金槌で叩いて伸ばしているところの写真
刃になる部分を金槌で叩いて伸ばしているところ

釘が冷めてきたら、窯で熱しながら叩いて広げていきます。

作業をする背後には、普段見ることの出来ない大きな機械がたくさん並んでいます。

刃を叩く作業の写真1
刃を叩く作業の後ろには、大きな機械が並んでいます

叩き続けると、だんだんと平たくなってきました。

叩く作業をする子供の顔は真剣そのものでした。

真剣な表情で何なる部分を金槌で叩いている写真
真剣な表情で刃になる部分を金槌で叩いてきます

ナイフの刃になる部分をベルトサンダーで荒削りをします

叩いて平たくなった刃をベルトサンダーで形を整えます。

形をどうするかを、職人さんが優しく聞いてくれました。

職人さんと刃の付け方を相談しているところの写真
職人さんと刃の付け方を相談中

ここからの作業は子供が行うのは危ないので、職人さんがやって下さいました。

先ほど相談して決めた形になるように、熟練の職人さんが手作業で削ってくれました。

熟練の職人さんがベルトサンダーで削るところの写真
熟練の職人さんがベルトサンダー削るところ

ナイフの刃を磨く

仕上げはナイフの刃を磨きます。

この作業も職人さんがやって下さいました。

この回転砥石で研ぐ作業やベルトサンダーで削る作業を見る子供の姿は、早く出来上がらないかとワクワクしているのがよくわかりました。

職人さんが作ったナイフの刃を回転砥石で磨くところの写真
職人さんが作ったナイフの刃を回転砥石で磨くところ

完成した、五寸釘のペーパーナイフ

こちらが完成したペーパーナイフです。

手前の、持ち手の所がネジられているものが、うちの6歳の子が作ったものになります。

6歳の小学1年生の子供でも、職人さんにサポートをしていただき、子供が理解できるゆっくりとした言葉での説明を聞く事で作り上げる事が出来ました。

出来上がった五寸釘で作ったナイフの写真
出来上がった五寸釘で作ったナイフ

刃先は怪我をしないように、紙が切れる程度の仕上げになっています。

握り手の部分などは、高温で熱した後に冷ますと出来る酸化皮膜に覆われた状態の黒色の仕上げになっています。かっこいい色ですね。

五寸釘で作ったナイフの刃先の写真
五寸釘で作ったナイフの刃先

ペーパーナイフ作りのまとめ

八島農具興業株式会社さんでは赤くなるまで熱した鉄の五寸釘を叩いて、その熱さや臭いなどを感じながらナイフを作ることが出来ます。

小学校1年生の6歳の子どもに対しても優しく、子供がわかる言葉でゆっくりと説明してもらえて真剣にモノづくりをする事ができました。

他の所の体験だと、流れに沿って進められるといった感じで、子供がよくわかっていないまま進んでしまうところもありましたが、子供が理解出来るまで考える時間をゆっくりと待っていただいてる感じでした。

私の考えでは、物を作らせたい訳ではなく体験する時間でより多くの経験や記憶などを得てほしいと思うので、子供のペースで進めていただけたのはとてもありがたかったです。

やってみたい、作ってみたいと思われた方は、八島農具興業さんに連絡してみてください。

子供にやらせてみたいと思える貴重な体験をさせていただき、ありがとうございました!

工場の片隅には試作中のアイアンシェルフなども置かれていました。

これから面白いものが発売されるかもしれませんね。

楽しみです!

八島農具興業さんの情報

八島農具興業株式会社

住所 鳥取県倉吉市広栄町889−6

連絡先 0858-22-7233

五寸釘でのナイフ作り体験の料金などについて

体験は電話等での予約が必要になります。

平日と土曜日に実施されていますが、日曜日も場合によっては対応可能とのことですので、ご相談されるのがいいかと思います。

体験にかかる時間 1時間程度

体験費用 1人(1本)1500円 

特に年齢制限はないとのことですが、全く危険がない作業ではありませんので、ふざけたりせず話を聞いて指示に従うことが出来る必要があります。

職人さんたちも安全に対して出来る限りの配慮をしていただいてはいますが、親御さんも一緒に気をつけるようにしていただく方が良いかもしれません。

子どもがやった事ない体験などをなぜやらせたいと思うのか

私は子どもに対して親がしてあげたい事の1つとして

「その子が常識と思っている事の幅を広げてあげる事」を思っています。

子どもから大人になるにしたがって、色々なことを知ることで自分が出来ると思うことなどの常識の幅が広がっていきます。

たとえば

「●●が必要になったんだけどどうしよう?」と聞けば、

「買ってくる」

そう答える子ども(大人もですが)は多いと思います。

それは答えとして正しいとは思いますが、私はもの作りを通して、色々な物の作り方を見たり知る事で、「買ってくる」は選択肢の1つとして、その他に

自分で作ることはできるのか、どうすれば作れるのか。

などを、ほかに解決する方法を考えることの出来る子どもに成長してほしいと考えています。

いろいろな体験もやった事のないからこそ、物の見方を変えるきっかけになるのではないでしょうか。

先日、鳥取県に行かせていただいた際に、パラグライダーで空を飛ぶ体験を子どもがやりました。

飛行機に乗るのとは違い、目の前にあるのはロープと布の固まり。それを体に繋ぐと空を飛ぶ事ができる。大人から見ると素材的には違いますが、子どもにとっては

「ありふれたものが、形ややり方次第で空を飛ぶ事ができた」

こういう体験が常識や発想の幅を広げてくれると、私は考えています。

それぞれの体験1つで変わることは少ないと思いますが、そういった経験を積み重ねることで、その子の持つ常識や発想の幅が広がっていくと思い、私は色々なことに挑戦させて行きます。

近くの美味しいB級グルメ 牛骨ラーメン

八島農具興業さんに訪問する前にラーメン幸雅さんで腹ごしらえ

ナイフ作りの予約時間まで少し時間があったので、鳥取県のB級グルメのラーメンをいただきました。

鳥取県のラーメンと言えば、牛骨スープのラーメンですよね。

今回、訪問したお店は「ラーメン幸雅」こうが さんです。

八島農具興業さんから車で10分ほどの距離にあり、時間的にもいい感じでした。

到着したのはちょうどお昼ごろでしたが、広い駐車場もあり車も停めやすくタイミングも良かったようで5分も待たずに席に案内していただきました。

お店では席に案内いただいた後、自分で券売機に行きチケットを購入するスタイルです。

チケットを購入して店員さんに渡すと、ラーメンが出てくるのを待ちます。

ラーメン幸雅さんの外観写真
ラーメン幸雅さんの外観写真

今回注文したのは、なつ旨スープの「なつ旨ラーメンライスセット(塩)」です。

なつ旨ラーメンとは、牛骨を20時間以上炊いたスープに赤崎桶谷の白醤油を使った、牛骨ですがあっさりとしたスープのラーメンです。

ラーメン幸雅さんのテーブルの上の案内文写真
テーブル上のなつ旨スープの説明

席で楽しみに待っていると、なつ旨ラーメンが運ばれてきました。

牛骨をしっかりと炊いてとったラーメンスープですが、嫌なくさみやクセも少なく白醤油を使用しているため、スープの色や味もそれほど濃くなくあっさりと食べやすいラーメンでした。

普段、ラーメンを食べることの少ないうちの子も、美味しいと言いながら食べてくれました。

なつ旨ラーメンライスセットの写真
今回いただいた、なつ旨ラーメンライスセット820円

ラーメン幸雅

鳥取県倉吉市山根583-2

0858-26-7288

営業時間 11:00~21:00

注文した なつ旨ラーメンライスセット 820円

ラーメン幸雅さん、おすすめですよ!

コメント

タイトルとURLをコピーしました