稲刈りをして、わらを使ってお正月のしめ飾り作り。刈った稲の手作業での脱穀、籾摺り、精米の仕やり方や、わらを使って手作りでしめ飾りを作った方法をご紹介します。

たんぼイメージものづくり
イメージ写真

手作業で稲刈りから精米までするのは大変でしたが、普段車の窓などからしか見る事のない田んぼと、いつも食べているお米までをひとつの繋がりとしてつなげる事が出来ました。

手作りで作ったしめ飾りは意外と簡単に作れ、近年少なくなってきたお正月を準備する感覚を子供も少しは持てたのかなと思います。

都会ではなかなかできない稲刈り

稲刈り写真1

我が家ではお米をよく食べます。夕食用に毎日3合づつ炊いていますが、ほとんど食べ切ってしまい、1ヶ月で10キロ、年間120キロほど消費しています。最近のご家庭から比べるとたくさんお米を食べる家ではありますが、都会にいるとお米を育てている田んぼを遠くから眺める事はあっても、入ったり触れる機会はあまりないかと思います。

我が家でも同じでしたが稲刈りをさせてみようと考え、知り合いが育てている田んぼにおじゃまさせていただきました。

うちの子は初めての稲刈りでしたが、お借りした鎌で楽しそうに刈り取っていました。近くの田んぼが、機械で刈っているいるのを見て

あそこはどうして機械なの?刈ってるところにカラスが集まってるのはお米を食べてるの?

と言った感じで、不思議そうに質問していました。

(カラスが集まっているのは、機械で刈った所からたくさんの虫が飛び出してくるので、それを食べにきているのだと思います)

稲刈りをさせていただいた後は、バッタを取るのに夢中になって遊んでいました。

稲刈り写真2

刈った稲を人力で精米までしておにぎりに

人力での白米はすごく大変でした

刈った稲を食べれる状態にするまでの工程ですが、人力でするとすごく大変でした。

  • 脱穀 稲穂についているもみを外す作業
  • もみすり 外したもみの周りに付いている殻を外す作業(もみ殻)
  • 精米 もみ殻を外した状態だと玄米になるので、周りを削り白米にする作業

白米になるまでにこの工程をクリアしないといけません。

牛乳パックを使って脱穀

牛乳パックでの脱穀写真

刈らせていただいた稲を持ち帰り、しばらく乾燥させてから人力で脱穀を行いました。

脱穀は牛乳パックを使ってやってみました。やり方は稲のもみ部分を牛乳パックに入れてから、蓋のところ閉じてギュッと握って、後は引っ張るだけ。閉じた牛乳パックの口から引き出される時にもみが落ちて牛乳パックの中に溜まっていきます。これだけで脱穀は完了です。手間はかかり、なかなか一度に大量には出来ませんが、子供でも簡単に脱穀する事ができました。

すり鉢と軟球でもみすりをして、玄米に

牛乳パックで脱穀したもみを集めたら次はすり鉢に入れてもみすりを行います。

もみすり写真

これもやり方は簡単。すり鉢に入れたもみを軟球のボールを使ってひたすら、グリグリと擦るだけ。すり鉢のザラザラした肌に程よく柔らかい軟球のボールで押しつけられて、もみ殻が外れるのですが、この作業も非常に時間と手間がかかりました。

精米をしておにぎりに

最後に精米ですが、瓶に玄米を入れて棒で突くと白いお米に精米することが出来ます。

今回は脱穀、もみすりに思った以上に時間がかかってしまったのと、我が家では玄米で買ったお米を使うたびに家庭用精米機で精米して食べていたので、精米作業は機械に頼る事にしました。

精米したお米を炊いて、塩おにぎりにして食べたのですが、子供たちは自分で精米までしたお米だからかいつもよりもハイペースでおにぎりを頬張っていました。

稲刈りから精米までかなり大変でしたが、都会にいると遠くから眺めるしか接点のない田んぼを、普段は当たり前に食べている白いお米と線として結びつける事ができ、そのことを子供が少しでも覚えてくれていたらと思います。

お正月に向けて、残りのわらでしめ飾り作り

しめ飾り写真
作ったしめ飾り

残った藁を使いしめ飾りを作る事にしました。

しめ飾り作りに必要な道具

ゴムハンマー写真

藁を叩いて柔らかくするために使用する頭がゴムのハンマー(100均で買いました)

叩く時の床に使用した丸太です。

なぜ家に丸太が?と言うツッコミもあるかもしれませんが、私の趣味のための道具?として使用していた物です。その事についても、そのうち書かせていただけたらと思います。

特に丸太である必要はなく、藁を叩く際に受けになる物ならなんでもOKとお考えください。

道具写真1

麻紐と針金、ハサミです。

麻紐については、用意はしたのですが今回は細い藁紐を綯った(なった)ので使いませんでした。

写真にはありませんが、霧吹きと水もご用意ください。

しめ飾りの作り方

藁を3束に分けた写真

まず初めに藁を綯う為の準備として、藁に付いたくずや葉などを取っていき綺麗にします。

綺麗にした藁を25〜30本集めて1束に。これを3束用意します。

用意ができたら1束づつ霧吹きで湿らせてから、ハンマーで叩いて柔らかくしていきます。

藁を叩く写真

この時、強くたたきすぎると、藁が潰れてしまったりするので、力加減を調整してください。

今回は子供にハンマーで叩く担当をさせて、私が藁の束を動かす担当でした。

藁が曲げたりしやすくなるよう、柔らかくなればOKです。

藁束根元写真

叩く作業が終われば、次は綯って(なって)いきます。

3つの束の根本部分を上の写真の様に固定します。針金で固定するのが簡単ですが、写真ではわら紐を使いました。

綯った藁縄

根元を抜けないように固定したら、3束ある内の2束のわらをそれぞれ右回りにねじっていきます。ねじっていくと2本が自然と合わさってくるので、程よいところで縛って解けない様にします。残ったもう1束も同じ様に右回りでねじって合わせていくと、3束のわらがうまく合わさっていくので、いい感じに一つになったら、解けないように縛って固定してください。後は飛び出しているわらなどをハサミで切って綺麗にしてあげてください。

輪っかになった藁縄

綯ったわら縄を丸くして針金などで固定したら、わらで作る部分は完成です。

しめ飾りの飾りつけ

しめ飾りの飾り

しめ飾りに付ける飾り材料は、100均で買ってきました。

今回は暖色系のお花と水引、餅花です。

出来れば、飾る花にも意味を持たせたものを選びたかったのですが、下調べ、買い物の時間と100均の品揃えのこともあり今回は断念しました。

わら縄に花や餅花を刺して固定、水引は丸くしてマスキングテープで固定してから、わら縄に固定したら、しめ飾りの完成です。

固定する方法は、わら縄に差し込んでいくかグルーガンで引っ付けるのが簡単です。

しめ飾り写真

しめ飾りは初めて作りましたが、それほど難しいわけではありませんでした。

どんなしめ飾りかによっても難易度は変わってくるかとは思いますが、近年少なくなってきたお正月らしさやそう言った風習などを子供に感じさせれたかなと思いました。

30年以上前の子供の頃の記憶 子供にもつなげれたらとの思い

私自身は、大阪市内で生まれ育ってきましたが今から30年以上前の話になりますが、小学生の頃に1週間ほど親元を離れて夏休みの校外学習(学校のではなく民間でされていたものだと思います)に参加したことがありました。現地では、炭焼きや、竹を切ってきて工作を行ったり、実施場所が福井県だったと言うのもあるとは思いますが、実際に恐竜の化石が発掘されている川の河川敷で、金槌で石を叩いて化石探しをしたのを覚えています。出てきたのはシダ類の葉っぱや木の化石ばかりでしたが、夏休みの自由研究に提出しました。他にも現地のご老人に藁を使って縄を綯いワラジなどの作り方も教わりましたが、その時の記憶から、藁の綯い方などもなんとなく思い出し、インターネットで調べることで今回のしめ飾りを作る事が出来ました。昔の事など断片的でなんでも覚えているわけではありませんが、こうやって子供に体験させる事によって、少しでも何かを覚えてくれていたらと思っております。

今回はしめ飾りを作ったので、来年は門松を作りたいと思います。

しめ飾りは地域によって、ねじりの向きが違う場合もございます。

作られる場合は、お住まいの地域の風習をお調べになられる事をお勧めいたします。

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